今年もあと少し

2005年12月26日

忘年会 → 新年会 → 総会

体重が増えるシーズンが到来しました
お酒があまり飲めない分、食べてしまうんですね

最近、ある方に言われました「少し太った?」
その通りです
選挙の時5キロ減った体重が、元に戻りすぎて少々オーバーしてしまいました

原因は、お付き合いの数が増えたことと、夜中パソコンの前での間食です
このままだと、夏のスーツが・・・
何か運動をやらなければと言いつつ、2年が経ってしまいました
再来年の選挙に向け、万全の体調にしていかなければと、鏡の前で決意する今日この頃です

想定外だった、第3回定例議会の一般質問を掲載いたします
これまで質問の質を落とさないよう、年2回の予定でしたが、予算を前にどうしてもやらなければならない内容が出てきましたので、準備不足(相変わらずですが)のなか、頑張ってみました

2005年第3回定例議会一般質問

杉並区議会公明党の一員として、区政一般について質問をさせていただきます。

はじめに、防災センターについて
次に、文化政策について
以上、2点について質問させていただきます。

「防災とは究極のモラルである」とは、防災システム研究所 所長 山村武彦氏の言葉です。火を出さない、ガスをもらさない、自分が死なない。「極論すれば「人に迷惑をかけない」ということであり、自分、家族、隣人、友人の命を守るのだとの意識を、もっとしっかり持って欲しい、と続けられています。

山村氏は著書『人は皆「自分だけは死なない」と思っている』の中で、“防災オンチ”の日本人に警鐘を鳴らしています。

「人は都合の悪い情報をカットしてしまう」つまり防災においても、何故か「自分だけは大丈夫」と思ってしまう。

多くのメディアに触れる機会の多い現代、映像として映し出されたものが、現実味のないバーチャルな世界に見えてしまい、「自分の身にも起こりえる」と考えにくくなってしまう傾向があり、さらには「パニックは簡単には起こらない」という意識がどこかにあります。

一般に、災害が発生すると、人はパニックに陥るものと信じられていますが、今は昔と違って情報が溢れていますので、一つの誤報でその場の全員がパニックに陥ることは少なく、むしろ、正しい情報が入ってこないと分かった時に、パニックは起こるのだと、山村氏は指摘しています。

つまり、正確な情報をいかに早く手に入れることが、防災に不可欠なことだということです。

さる9月4日に区内に甚大な被害をもたらせた水害において、初動体制の不備が指摘されました。特に住民へ正確な情報が伝わらなかったことが、被害拡大の要因の一つであったと言えます。

そこで、災害時に中心的役割を果たすべき防災センターについて、いくつか質問をさせていただきます。

杉並区地域防災計画の中で、「災害時において、迅速かつ的確な応急対策活動を実施するための、防災活動の中枢指令拠点となる、災害対策本部の機能強化のため、防災センターを設置し、中枢指令機能を支援する」と防災センターの役割に関する項目が掲げられていますが、今回の水害における、防災センターの果たした役割について、その問題点や改善点など、区の評価をお伺いします。

阪神淡路大震災以降、防災への取り組みの一環として、防災センターの設置や、機能を強化する自治体が増えてきました。
防災センターには様々な機能が求められます。

現在、庁舎内6階にある、常時会議室として使用されているセンターは、お世辞にも災害時に十分な対応ができる代物とは言えません。

一般的に防災センターは、地震、台風などの被害を前提に考えられたものですが、今回のように突発的な集中豪雨による浸水被害や、大規模火災、国内でも起こる可能性があると言われているテロ等、様々な被害を想定し、対応できる施設としての必要性が高まったと言えます。

防災無線のリニューアル、水防情報システムの再構築、有識者による専門家委員会の設置等、区としても十分認識され取り組みを始めたところですが、区民の防災意識が高まっている今こそ、思い切った施策ができるのではと考え、更なる機能充実のため、幾つかの要望と提案をさせていただきます。

現在、多くの自治体で防災カメラが導入、設置されています。
地震発生の際に、防災カメラの映像をニュースで、よく目にしますが、確かに地震の様子が伝わってきます。

調べてみたところ、主な設置場所は、高いところから市街地全体が見渡せるもの、高波が予想される港湾、水没地帯、河川の水位監視、活火山の監視といったところです。

また、インターネットで24時間ライブ映像を配信しているところも、いくつかあります。
これまでも導入の論議はなされてきたようですが、高額な予算を要するため、実現には至りませんでした。その効果や、プライバシー保護の問題において、設置における賛否はあるようです。

しかし、災害発生時に数値データや通報だけでは、客観的な状況は理解できても、被害が発生しているという実感は薄いのではと考えます。

先日の水害現場の非日常的な光景などは、どのように説明しようとも、聞き手の想像力に任せるしかありません。

環八からの水が、濁流となって家の中に流れ込む様子を想像してみてください。荒れ狂ったような善福寺川に水没した、松見橋を渡る恐怖感が分かりますか?
ついでに申し上げますと、胸の深さまで、水に浸かり、汚水がカッパの中の下着にしみ込む気持ち悪さが、理解できますか?

現場にいなければ、その異常さは実感できません。

防災センターで、現場の映像を映し出しながら、災害対策をおこなうことは、区民のおかれた状況を把握する上でも重要と考えます。
また、水害地域にあたる河川のライブ映像は、周辺住民の被害拡大を少しでも食い止めることに役立つのではとも考えます。

併せて、再構築される水防システムの河川状況・雨量のデータをインターネットを利用し、区民に情報提供すれば、更なる地域の防災力の強化に繋がるものと考えます。

次に、防災用GIS(地図情報システム)の導入ですが、以前、一般質問で統合型GIS構築の提案を致しましたが、膨大な作業を伴うため、なかなか前に進まないようです。

区のホームページにも公開されている、職員の涙ぐましい地道な努力の結晶である、被害状況を表すマップは手作りですが、もしGISが導入されれば、より迅速に、より正確に、より効率的に被害状況を把握することができるはずです。

現在の防災対策においてGISは不可欠と考えます。以前、他の議員の質問にもあったGPSと併せて、防災用GISの導入を提案します。

将来的には、庁内統合型のGISとして、一人暮らしの高齢者等の災害弱者の掌握や、非難ルートの確保等、救援活動に必要な情報の活用、被害状況を分析できる、より高度な防災情報システムを構築していくべきと考えます。

他にも、情報収集、情報伝達の方法の一つとして、文京区で始めた、区内アマチュア無線団体との災害時の協力協定などは、区民の隠れた力を活かした防災対策と考えます。

社団法人日本アマチュア無線連盟の定款には、「災害時の非常通信活動及び、そのための訓練の参加」とあります。

私も免許を持っていますが、アマチュア無線家は、かなり高性能の無線機を所有しており、せひ検討してはいかがかと思います。

以上、防災センターに関わる機能について述べさせて頂きましたが、区として、これからの防災センターの機能や役割、他部署との連携のあり方について、抜本的な改善が必要と考えますが、ご所見を伺います。

東京都には、先進的な機能を備えた防災センターがあります。

予算規模や、カバーする地域の広さから、杉並区と比較するわけにはいきませんが、特筆すべきは、緊急時に災害対策本部が設置された場合の災害分析、被害状況把握、情報提供が即座に可能な体制が整っていることです。

防災センターは、その名称から考えると、災害時に立ち上げるものではなく、常時機能すべきものと考えます。
現在の防災課のオフィス形態では、緊急時における速やかな対応は難しいと考えます。

デスクに座って、顔をあげれば、区内や関係機関からの様々なデータが目に入り、異常があれば、即座に分かるようなオフィス環境を作るべきと考えます。
つまり、防災課は防災センターとしての機能を持つべきであり、今後、防災課を防災情報管制センターとして整備してはと考えますが、区のご所見を伺います。

山村武彦防災システム研究所所長は「現在の課題は、防災モラルを向上させることであり、自分の命、子供の命、友人の命、そして街を守ることに、どれだけ真剣になれるか。

一人ひとりの心の堤防を高くしていくことが、結局、最大の災害対策となる。」と結論つけられています。

名将、武田信玄は「人は石垣、人は城」と言いました。建物や仕組みをいくら頑丈にしようとも、人の心や意識が低ければ、災害の防ぎようはありません。

今後の総合防災対策に対する区の考えを伺って、次の質問に移ります。

フランスに人口56万のナントという市があります。中心部にブルゴーニュ公爵城を擁し、ナントの勅令で有名な歴史都市でありますが、1970年代頃主力産業であった造船業が、日本、韓国の台頭によって壊滅的打撃を受けました。

相次ぐ造船所の閉鎖、労働争議による人口流出は地元の経済を直撃し、失業率が40%と未曾有の大不況に陥ったのです。

しかし、1989年、若干39歳のエーロー氏が市長に当選すると、ダイナミックな文化政策を大きな柱に据え、まちおこしを始めました。

特筆すべきは、ハコもの作りよりも、市民を巻き込む、多彩な文化創造を試みたことです。
さらには、地方都市としては異例の、芸術国際都市として歩み始めました。

ナントの文化予算は、市の年間予算の11%にも達し、さらには、政府、州、県などの公的資金を投入する仕組みを作り上げ、同市が実際に文化に使う予算は、市予算の2倍近くにもなると思われます。

ナント市は、大不況から立ち直るために、街の再生を文化に賭けるという、日本人の常識からすると、非常識きわまりない大冒険に乗り出したわけです。

そして、初期の予想をはるかに上回る大成功をおさめ、国内外のメディアからヨーロッパで最良の場所と褒め称えられるまでになりました。

荒廃から完全に立ち直った街には、緑が溢れ、その環境の質の高さ、市の取り組む文化政策のすばらしさから、国営企業が拠点を置き、多国籍企業が支店を置くようになったわけですが、工業団地づくりや税制の優遇措置よりも、市当局の文化政策・文化行政の積み上げが、国内外の企業の関心を引きつけ、企業誘致を成功させたのです。

この光景をまのあたりにした、元企業メセナ協議会 専務理事の根本長平衛氏は、著書「文化とメセナ」の中で、「ナントの奇跡」と呼んでいます。

氏は「一にも二にも景気回復」というバブル崩壊後の合い言葉が、ほとんどの日本人の「常識」として考えられてきたことを受け、「日本の社会はモノとカネの追求を主要な目的とする社会であり、そこでは効率主義の原則が、他のいっさいに優先する」という考えで戦後走り続けてきた我が国の、もう一つのビジョンとして、文化の果たす役割の重要性をヨーロッパ、アメリカの文化政策を具体的な例をあげつつ述べられています。

振り返って、我が杉並区を見た時、文化人も多く住む、そこそこの文化都市でありますが、今後、高齢化が進み、財政的にも先行の不安感はぬぐい去れません。

これまで、議会の質問で文化政策の重要性を訴えてまいりました。

ナント市の成功の鍵は、埋もれていた市民の力、つまり地域の力を引き出したところにあると考えます。
また、地域の活力の原動力には、文化は必要不可欠なものであり、まちづくりの根底に流れる文化意識の高さが、それをなし得たのだと考えます。

我が区でも、議会・行政の諸先輩方が取り組んできた文化政策が、少しづつ前進しようとしています。

昨年度策定した「すぎなみ五つ星プラン」において、あらたな事業として「文化振興基金」が示されました。

区内には多くの文化団体があり、日々様々な文化活動がおこなわれていますが、このような活動をさらに活性化させ、文化都市として成熟させていくためには、区民が文化を享受するというだけでなく、文化の創造を支援し、文化の担い手になることが必要と考えます。

そういう意味からも、区が振興基金設置に動きはじめたことは、非常に喜ばしいことと考えますが、現在、基金設置に向けた検討の進捗状況はどのようになっているのか伺います。

一般的に基金は、寄付により運営がなりたっていくわけですが、文化振興についても区民や区内企業から積極的な寄付によって、新しい文化を育てていくことは理想の形だと考えます。

しかし、日本において、直接見返り求めない、寄付という行為は、なかなか定着しない現実があります。
バブル時代に、金あまりの中で誕生した、「メセナ(芸術文化支援)」という言葉が定着して久しいのですが、アメリカのような思い切った税制優遇策がないことから、企業メセナは、なかなか大きく発展していません。

また、区がこれまで設置してきた「NPO支援基金」や「みどりの基金」などの運営状況を見る限り、かなり厳しいと言わざるをえません。

こうした基金の実態を見る時、果たして成功するのかと、考えてしまいます。

基金という枠組みにとらわれず、助成をおこなう仕組みも検討してみてはと考えますが、区のご所見を伺います。

公会堂のオープンがせまり、また新しい高円寺会館の建築計画が進む中、文化をどのように振興していくかは、重要な課題です。

この時期に文化振興基金を設置していくことは、時にかなった施策と考えますが、どのような中身にしていくかが重要であり、設置に向けた検討には、区として、今後文化政策における基本的なスタンスが問われるものと考えます。

これからの文化振興のありかたとして、重要な観点は文化を育てることだと考えます。

東京は、文化・芸術の中心でもあるため、都心に近い杉並区には、多くの芸術家や音楽家、役者等になることを目指す若者が集まって来ていますが、活躍の場、特に発表の場を切望していることは、以前にも述べたとおりです。

こうした若者を含め、文化振興基金は今後、新たな文化創造活動を積極的におこなっていくような、団体、新進芸術家などを育て、支援するためのものと考えますが、区のご所見を伺います。

本年の予算委員会で、文化交流協会のサービス面、企画内容、機動性、情報発信力において、その役割が十分に果たせていない点を指摘させていただきました。

協会は、杉並の文化振興の要ともいえるべき、重要な役割を果たしてかなければなりません。

より質の高い文化芸術の振興と、本物の芸術を広く区民に提供していくためにも、運営事務を専門性の高いNPO等への委託や、外部からのアートコーディネーターやアートディレクターの採用をおこなっていくべきと考えます。

今後、文化交流協会のありかたについて、見直しをおこなうとのことですが、どのような方向性で見直していくのか、お伺いします。

文化振興を進める上で、もう一つ重要な点として、区内にある貴重な文化資源の保存について以前、質問いたしました。

杉並区は、多数の文化人を輩出した土地でもあり、様々な分野で活躍してこられた文化人の貴重な資料、作品がある地域にもかかわらず、それらの貴重な、文化適価値のあるものが散逸しています。

これからの行政の役割として、そうした貴重な資料を保存していくことをあらためて要望いたします。

文化振興基金をめぐるやりとりのなかで、「こうした保存にも基金を活用するべき」との声もあると伺いましたが、基金の設置と貴重な文化資源の保存は分けて考えるべきではないかと思います。

区は、行政としての責任を持って、助成の仕組みを作るとともに、自らの課題として貴重な資源を保存していく、このようなスタンスに立って文化振興を進めていくべきと考えます。

そして、これらは行政 自ら文化を担うというのではなく、様々な主体や、様々な活動の場をつないでいく、まさに調整役としての役割が区に期待されているのではないでしょうか。

区内の文化団体を支援するとともに、ネットワークを作っていくことが、これからの文化振興にとって重要な施策であり、行政の役割と考えますが、区のご所見を伺います。

ヨーロッパでは、文化は首長選挙の大きな争点として有権者の注目を浴び、文化政策の正否いかんで首長の当落が決まりかねない「文化の地方分権」時代が到来したと言われています。
日本においても、経済、福祉に続く大きな政策の柱として、文化を競い合う時代の予感を感じさせます。

カルチャーの語源はラテン語で「育てる・養う」という意味があるそうです。
人を育て、街を育てる、新しい時代の文化の振興を杉並より、日本、否、世界に向けて発信していきたいものです。

以上で質問を終ります