長い夜

2005年9月5日

善福寺川浸水被害

公選法で、選挙活動に関わるホームページの更新は禁止されていますが、議会活動の一環として、昨夜の集中豪雨の被害について報告します

テレビで大々的に杉並区の浸水被害の模様が放映されたため、全国の知人から心配のお電話をいただきました
我が家は問題ありませんでした
ご心配いただき、ありがとうございました

さて昨夜は、町内の祭り会場で挨拶も兼ね、子供達と楽しんでいたところ、午後7時半頃から雨が降り始め、しばらくすると豪雨にかわりました

役所へ連絡をとって、善福寺川の水位を確認すると、まもなく警戒水位を超えそうだとのこと
祭りの役員の方に断って、自宅に戻りカッパを着込んで現地に向かいました

川は既に氾濫寸前の状態です
道路は至る所で冠水しはじめており、車で進むことが困難な状況でした

区役所の宿直に状況報告し、応援を要請しましたが、その間にも、冠水した道路で車が次々と立ち往生をしはじめました
あわてて、警察と消防の応援も要請し、エンジンが止まった車を水の少ないところまで押し戻し、交通整理をはじめました

雨の勢いはいっこうに衰えず、水かさは増すばかりです
ついには一番深いところで、胸まで浸かるほどになりました
そうなると床下浸水どころではありません、中心地はほとんどの家が床上まで浸水し、大変な状態となりました

環状八号線から川に向かう道路は、ほとんど濁流状態で前に進むのも大変でした
被害状況を確認しながら回っていると、近所の婦人の方に声をかけられました
一人暮らしの高齢者の女性で、自宅が床上浸水で身動き取れなくなったので助けて欲しいと連絡してきたが、水の勢いが凄くて助けに行けないとのこと
場所聞いて、救助に向かいました

何とかたどり着いた平屋の家は、停電で真っ暗です
開いている裏口から入ると、部屋はプール状で流れ出した物が足に当たってきます
大声で名前を呼ぶと、奥のから返事が返ってきました
手探りで、進んでいくと「助けて下さい」と弱々しく叫ぶベッドの上にいる婦人を見つけました
水はベッドの下まできています
「大丈夫ですよ助けに来ました、安心して下さい」と
励ましながら背負って表に出ましたが、腰まで浸かる水の勢いは凄くて、とても前に進むことができません

一人で運ぶことは危険なので、回りに助けを求めたところ、警官が2人やってきました
そして、なんとか無事に婦人を安全なところへ避難させることができました
午前1時を過ぎた頃から雨脚も弱まり、水位も下がり始めました

途中、次々に救援依頼や被害報告が携帯電話に入ってきましたが、どうすることもできませんでした
こちらの状況を伝え、後で伺うことを約束していましたので、他の現場へ行ってみました

阿佐ヶ谷駅前は完全に冠水し、商店がかなりの被害を受けていました
後片付けをしている方に声をかけ、状況を伺いました

他の浸水被害のあった地域を回って、自宅にたどり着いた時には夜明け前になっていました

近年の東京での都市型水害では、最悪の被害を出した豪雨でしたが、地球温暖化の影響で、その頻度が増しています
国内の雨水対策を見直す動きはありますが、追いつかない状況で各地に甚大な被害をもたらせています

やり場のない怒りを訴える被災者の方々の声を、何としても行政につなげ、一日も早く安心して暮らせる町にしなければと、何もできない自身の非力さを痛感するとともに、治水対策のあらゆる可能性を探り、取り組んで行かなければと思いました

いろいろ書きたいことは他にもありますが、後日にしたいと思います
人的被害がなかったことが幸いです