一般質問
一般質問終了
第2回定例議会2日目、10番目の質問者として、登壇しました
質問時間は約15分、元気いっぱい発言させていただきました
文化芸術振興については、区長自ら、「今後取り組むべき重要な課題」と前向きな答弁をもらうことができました
これからの区の取り組みが楽しみです
また、他会派の方からの反応も良く、今後超党派で取り組むことができれば、杉並区の文化芸術振興の大きな流れを作ることができると思います
とりあえず、第1弾です
文化芸術については、まだまだ沢山やりたいことがあります
これからも、ガンガン質問していこうと思います
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質問内容の抜粋を掲載させて頂きます
平成16年第2回定例議会一般質問
杉並区議会公明党の一員として
1、文化芸術振興について
2、商店会の振興について質問させて頂きます
今、日本では韓国ドラマ「冬のソナタ」が、大きなブームを巻き起こしています。
出演する男性俳優は、日本の俳優を凌ほどの人気で、社会現象となっていますが、ドラマに限らず、韓国文化には大きな活力を感じます。
韓国では、1997年の金融危機にありながら、文化産業政策を掲げ、国をあげて映像産業の振興を後押ししてきました。
時の大統領は「車を100台売るより、1本の映画を売ろう」ときめの細かい支援策をおこないました。
その結果、「シュリ」を初めとする映画の大ヒット、アジア全体をマーケットにした女性シンガーやバンドのプロデュース、日本でヒットを飛ばすドラマ等、「韓流」と呼ばれる、韓国文化を国の支援を受け発信し続けています。
国家予算に対する、文化関係予算の割合を比較すると、韓国では約0.6%、日本では、わずか0.1%にしか過ぎません。ちなみに、文化の国、フランスでは約1%となっています。
映画とミュージカルの国アメリカでは0.01%と低い数字ですが、間接支援型で寄付税制の優遇措置が中心であり、民間支援機関の数は日本の60弱に対し、アメリカでは数万と言われています。
金額にすると日本の芸術文化関係の寄付は約200億円程度、アメリカは約1兆1千3百億円と日本の60倍にも達しています。
こうした、文化政策の遅れを取り戻し、日本の活力となる経済と、もう一つの柱として文化芸術が不可欠と判断した国は、2001年末に「文化芸術振興基本法」を制定しました。
これにより、行政における文化芸術政策は、経済政策や少子化対策と肩をならべるほど重要な課題となったとまで言われるようになりました。
事実、文化庁の予算は他の予算が削減される中、拡充の一途をたどっていることを見ればあきらかです。
この大変厳しい経済環境の中、景気対策が先だと言う声もあるでしょう。しかし、今の日本以上に厳しい経済状況であった、第一次大戦後の1930年代のアメリカに文化芸術政策の一つの学ぶべき点が見いだせます。
1930年代、ルーズベルト大統領が大恐慌を乗り切るためにニューディール政策を行ったことは有名です。社会科の教科書で教えられたことは、ダム建設など土木事業中心とする公共事業でした。
しかし、このニューディール政策のもう一つの大きな柱が、実は文化芸術政策でした。美術、音楽、劇場、作家、歴史記録調査、の五つの国家プロジェクトを設け、美術プロジェクトでは、5300人の美術家を政府が直接雇用して、2500カ所の公共建築物を使用した壁画制作、10800の絵画、18000の彫刻を作りました。
音楽プロジェクトでは、16000人の音楽家を直接雇用し、毎週およそ3百万人の聴衆を前に公演を行いました。
そして、劇場プロジェクトでは、12700人の劇場関係者を直接雇用、毎月千公演、観客は百万人、そのうち78%は無料公演をおこないました。
大恐慌の中で、徹底した文化芸術政策を遂行し、不景気で沈んでいたアメリカ国民の心に明るさを取り戻し、勇気を奮い起こさせました。
そして、そのことがきっかけとなり、第二次大戦後、芸術の中心がパリからニューヨークへ移り、ブロードウェイのミュージカルが脚光を浴び、ハリウッドが巨大映画産業に成長していく基礎になったと言われております。
ちなみに、過去アメリカがおこなった調査として、芸術機関がもたらす経済効果は、130万人の雇用を産み、GNPの約6%におよぶという結果も出ています。
現代日本においては、社会・経済が大きな変革期を迎え、先行き不透明な時代にあって、文化芸術は人々の心を豊かにし、生活にゆとりや活気をもたらすとともに、新たな課題に挑戦する人間の創造力の源泉となります。
また、生まれ育った場所への誇りや愛着を深める、よりどころになるものと考えます。
さらに、文化芸術に対する投資や支出は、新たな需要や雇用の創出につながるなど、経済を量的にも質的にも発展させ、社会を活性化させる重要な基盤でもあります。
文化芸術振興基本法の前文には、「文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。」とし、
第4条において「地方公共団体は、基本理念にのっとり、文化芸術の振興に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、および実施する責務がある」と地方公共団体の責務が明記され、第35条で、それぞれの地域の特色ある文化芸術の振興を定められています。
まさに地方分権の時代、文化政策については全国一律ではない各自治体の力量の差がここで出てくると考えます。
杉並区で策定した基本計画、「地域文化創造のために」の中で、課題として、区民がすぐれた文化・芸術にふれたり、区民自ら創造的な文化活動に参加しやすい環境を充実する必要がある。また、創造的な文化を世界にも発信できるような杉並らしい、はつらつとした文化のまちをつくることは大きな課題である。と明記されています。
区内では、地域の自発的な取り組みで始まった、高円寺の阿波踊り、阿佐ヶ谷の七夕祭り、ジャズストリート、荻窪のクラッシックコンサートは有名になりました。
また、アニメ産業の振興、芸術祭の開催、日フィルとの提携等、区としての個別の取り組みもなされています。
区長は、本年「安全安心のまちづくり」に「元気、活力」を付け加えられました。文化芸術の振興はまさに区民に元気活力、そして夢を与えてくれるものと考えますが、杉並区における文化芸術振興に対する御所見を伺います。
平成18年度、杉並公会堂が完成の予定でありますが、文化芸術振興施策の大きな目玉となると考えられます。杉並区の文化芸術のシンボルとして位置づけるため、どのような活用おこなっていくのか伺います。
区内では、多くのアーティストが活動していますが、彼らの一番の悩みは場所の確保です。創作活動や練習、発表をする場所を確保することが、時間帯や費用の面からも大変厳しい状況であると伺っています。
街角ギャラリー、街角コンサート等の発表の場の積極的な支援。また、演劇や音楽の練習が深夜でもおこなえる区内の施設を検討してはいかがかと思いますが、御所見を伺います。
杉並区には多くの文化人、芸術家が在住していると言われています。また、中央線沿線には、全国からミュージシャンや役者を目指す若者が多く集まっていますが、一部の団体を除き、その実態が把握できていないのが現状だと思います。そうした人材の活用は文化芸術施策だけでなく、杉並区の「人・まち・夢プラン」構想においても、重要な課題と考えます。
そこで、現在検討されている、仮称・杉並地域参加情報サイトを活用した区民アーティストバンク制度を提案致します。
区内在住の文化芸術関係の人材・団体を登録する人材バンクを設置し、小中学校、福祉施設、町会や商店会のイベント等へのアーティスト派遣事業や区民による音楽祭・芸術祭等積極的に区民が芸術に触れる機会の創造に役立てて行かれればと考えますが、アーティストバンクの創設についての区の御所見を伺います。
子供たちが多くの感動体験を得ることは、豊かな感受性をはぐくむ上において欠かすことはできません。杉並区でも、子供たちが本物の文化芸術に触れたり、創造活動に参加するための取り組みを総合学習の中に取り入れていますが、現在の状況と今後の取り組みについて伺います。
さきに述べましたように、ようやく国も文化芸術振興に本格的に取り組み始めました。提案ですが、杉並区政における位置づけや理念、基本方針を明確にさせるために、たとえば、文化芸術都市宣言や文化芸術振興条例、さらには文化芸術振興ビジョンを策定されてはいかがでしょうか。
文化芸術は一人一人の持つ独創性を開き、多様性を養成する社会をつくるために大切な要素であります。また、人への尊敬や愛情の心、さらには青少年の心豊かな感性をはぐくみます。
杉並区においても、個別にさまざまな活動が行われておりますが、基本法の制定に伴い、より充実した活動推進支援のためには、条例の制定を含めて、総合的、体系的に活動の推進を目指すべきであると思います。
この基本法が単に抽象的な理念や原則にとどまらず、ぜひ具体的な方策で実質的に運用、活用していただきたいと要望しこの質問を終わります。
次に、商店会の振興についてご質問します。
上場企業の2004年3月期決算が出そろい、2期連続の増益となりました。年度見通しでは2期連続、過去最高益になるとのことです。
また、内閣府が発表した平成16年 第一・四半期の国内総生産、いわゆるGDPは、年率換算で5.6%増加、これで8期連続増加と、日本経済が内需を中心に順調に回復しつつあるように思われます。
とは言え、私たちの生活実態から見ると、まだまだその実感が湧くような状況には至っていません。
特に、売上が伸びない、または激減している商店 経営者にとっては、まだまだ深刻な状況にあります。
確かに、末端経済回復までの時間的なギャップや、24四半期にもわたるデフレという、景気背景もありますが、最も大きな要因は、以前から指摘されている通り、区内商店街の集客力の低下にあると考えます。
昔は、活況を呈していた商店街においても、夕刻の最も忙しいはずの時間帯に、人どおりがまばらな商店街が多く見受けられます。駅から遠く、立地条件の悪いところでは、特に顕著になっています。
区では、産業振興計画のもとに、商店街の活性化に向けた、様々な施策の充実を図っていますが、その効果がなかなか現れてこないように思われます。この点をどのように認識し、今後どのように取り組まれようとしているのか、まずお伺いいたします。
魅力ある商店街つくりの施策として、「千客万来・アクティブ商店街事業」は、3年間で1千万円と、以前と比べれば破格の補助事業であり、活用を望む商店会は多くあります。
しかし、小さい商店会においては、中々それを活かせる程のアイデアを創造していく力がないのが実情です。
こうした商店会に対し、区は積極的に助言、助力をしていく必要があると考えますが、御所見を伺います。
商店会の関係者に話を伺うと、昨今、ほとんどの商店会では、高齢化などで、運営そのものが難しくなっているとのことです。
14年度におこなった調査では区内、商店経営者の52%が60歳以上であり、50歳以上では約83%にも達するとの報告がなされています。
区内には、140程の商店会がありますが、高齢化、店舗の減少による運営面の厳しさを考えると、今後、商店会の力を増すために、商店会の統合も必要と考えますが、御所見を伺います。
商店会の振興を図るためには、商店会の自主的な努力が不可欠であることは当然のことでありますが、商店会の現状を考えれば、区がそれぞれの商店会の実情に見合った、より積極的なアドバイス等の支援をしていくことが必要と考えます。
元気活力のあるまちづくりのためにも、更なる取り組みを要望し、質問を終わります。