この世の名残、夜も名残

2006年2月18日

曽根崎心中
曽根崎心中

曽根崎心中

タイトルの言葉は、醤油屋、平野屋手代の徳兵衛と遊女、天満屋のお初が、実らぬ恋を心中によって成就するため、天神の森へ入って行くという、悲しくも純粋な結末を謡った有名なフレーズです

昨年、初めて鑑賞した文楽に感動し、いつかは近松門左衛門の「曽根崎心中」が見てみたいと願っていたところ、思いがけず知人から誘いを受け国立劇場へ行ってきました

最近、NHKの「その時歴史は動いた」で放送されたばかりでもあり、期待通りの素晴らしい作品でした

2003年にユネスコ世界無形文化遺産に指定された文楽は、300年以上の歴史をもつ日本伝統芸能です

江戸時代大阪で生まれた文楽は、明治頃までは「人形浄瑠璃」と呼ばれていました
浄瑠璃とは義太夫(音楽にのせた語り)のことで、人形劇と合わさったことで、人形浄瑠璃と呼ばれるようになったとのことです
ちなみに浄瑠璃の語源は、室町時代に人気を集めていた「浄瑠璃姫の語り物」に始まったもので、お姫様の名前だそうです

独特な舞台と、これぞ芸術といえる人形使い、義太夫、三味線が一体となって織りなす文楽は、不思議な世界に引き込んでいきます
まさに、近松の「芸とは虚と実の皮肉の間にあり」という言葉を実感することができました

奥の深い日本の伝統芸能を抜きにして、文化芸術は語れませんね
やはり本物は凄い!