導電性高分子の発見とセレンディピティー

2006年5月30日

それはですね・・・。
それはですね・・・。

ノーベル化学賞 白川英樹筑波大学名誉教授の講演会

何やら難しいタイトルですが、先日杉並科学館で行われた、平成基礎科学財団杉並支部講演会のサブタイトルです
メインタイトルは「セレンディピティーを知っていますか」

はて何のことやらさっぱり分からぬまま出席してしまいました

実はこの講演、平成基礎科学財団の理事長で、同じくノーベル賞受賞者の小柴昌俊先生が依頼をして実現しました

当然、小柴先生も主催者として挨拶されました
相変わらずのウイットに富んだ挨拶で、参加者を笑わせてくれました

まちの小さな科学館のホールに、ノーベル賞受賞者が2人で話すなんて、凄いと思いませんか
根が田舎者なんで、それだけで感動してしまいました

さて「導電性高分子の発見とセレンディピティー」とは
簡単に訳すと「電気を通すプラスチックの発見と、探し求めていたわけではないが、失敗と偶然から思ってもみなかったものを発明、発見する能力」だそうです

つまり、高分子化学の常識を覆し、ノーベル化学賞を受賞するほどの発見は、偶然の中から生まれたということです

その偶然の中から、偉大なものをつかみ取る能力を持ち合わせた人だからこそ、成し得た偉業だったわけです

約1時間半にわたる白川先生の講演は、自分の幼少時代からのエピソードを交え、ノーベル化学賞を受賞するまでの様々な出来事を楽しく話されました

途中、専門的な化学の説明は、苦手教科だった私にとっては、さすがに分かったような、分からないような・・・

しかし、一流の人間の生き様を直接ご本人から聞けたことは、非常に有意義でした

自分の可能性を決してあきらめないことの大切さをあらためて教えていただきました

先生の話の中に、「日本では応用科学が重要視され大切にされているが、基礎科学はさらに重要である」とありました

現代の日本において、このことは科学の分野に限らず、基礎的なものの価値を再認識しなければならない時代に入ったような気がします

PS.セレンディピティーとは、セレンディップという国(スリランカの昔の国名)の3人の王子の物語が、語源になっているとのことです