杉並区電子地域通貨事業キックオフ
済美山グラウンドもそうでしたが、この事業も私の夢でした
7年前、日本でマイレージの普及を推進した航空会社の方と出会い、行政カードとマイレージの組み合わせの可能性について相談しました
当時、杉並区では住基ネット問題が取り沙汰され、住基カードの普及に足止めがされていました
そこで、住基カードを官民相互利用し、杉並で買い物をして海外旅行ができないかと考えたわけです
そんな時、現在も区内で利用されている商店街ポイント事業の「すぎなみカード」の問題に関わることとなりました
国の補助金を導入し約1億円近い投資で事業化されましたが、加盟店の減少、カード普及の停滞、読み取り端末の不具合など深刻な状態でした
金融機関でカード事業に携わった経験から、事業の大変さを知っていました
関係者の尽力により当面の問題は解決しましたが、事業の将来性は無いと判断せざるを得ませんでした
そこで、同僚議員とIT議連なるものを非公式に立ち上げ、新たなカード事業の研究を独自に始めました
ポイントは
自前のシステム開発、端末開発はおこなわず、既存のパッケージシステムと端末を利用する(要は他人のふんどしでやるということ)
ポイントに汎用性を持たせ、失敗してもユーザーに迷惑をかけない(他のポイントや電子通貨との互換性を持たせる)
使用優先度の高いマルチカードにする(主婦のサイフからカードを減らす)
ブランド力を持つ(加盟店拡大とカードの普及)
ランニングコストを抑える(通信インフラの構築)
マルチプラットフォーム化できるカードを利用する(商店会ポイントや行政サービス、診察券、学生証等々)
これらの条件を満たす環境が整ってきたのが3年ほど前です
そこで、以前より情報交換をしていた企業と再度事業化へ向けて研究を再開しました
当初は商店会連合会のポイントカードとして研究しつつ、行政にも幾度となく働きかけをおこなってきました
昨年、事業化提案制度において「電子地域通貨事業」をテーマに公募を行った結果「フェリカポケットマーケティング株式会社」に決定し、区の事業として一歩を踏み出しました
そして今回、第1回杉並区電子地域通貨推進委員会が開かれるに至りました
スイカのJR東日本、ナナコカードのセブンカードサービス(セブンイレブン)、ワオンカードのイオン、エディのビットワレット、ヤマト運輸、ぐるなび、西武信用金庫、高千穂大学、杉並商店会連合会、杉並商工会議所、杉並産業協会と、そうそうたるメンバーが委員に名を連ねました
アドバイザーには、政策、メディア研究のスペシャリスト金子郁容慶応大学教授、地域通貨のスペシャリスト西部忠北海道大学大学院教授と素晴らしい方が就任されたことからも、行政の本気度が伺えます
田中区長も電子地域通貨を公約に掲げていたことから、委員長との立場で「地域経済の活性化と新しい公共のモデルとなるこの事業によって、区民の幸せ、ふるさと杉並の繁栄という夢を実現していきたい」と力強く決意を述べました
多くのマスコミも取材に集まり、全国初の取組みとしてニュースでも報道されました
ともあれ、ここからがスタートですので、進捗状況はしっかりとお伝えしていきたいと思います
「夢は諦めなければ叶う」という言葉を噛みしめつつ、この夢を形にしてくれた同僚議員と、可能性を信じて先行投資をしてくれたフェリカポケットマーケティングに心より感謝します